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不動産価格を決める利回りをざっくり学ぼう

こんにちは、田中です。

商品の価格は需要と供給で決まると言われますが、不動産の価格は単純に受給バランスで相場が形成されているかと言うと一概にそうとは言えません。

不動産にかぎっては、需要と供給に加え、”政策的要因”というものが相場変動の大きな要素となっていて、土地の再開発、税制面、金融の動きなど国の政策に関わることにより日銀や行政の方針などに従わざるを得ないと言えると思います。

例えば、バブル経済のとき東京都内のオフィスが足りなくなり、その結果「既成市街地から外へ買い替え特例」という条例が作られました。既に町が出来上がってる東京から郊外に移れば今住んでいる面積の5倍までは売った金額の税金を繰り延べにするという法律です。これによって売却ラッシュが始まり、東京の地価が高騰し、郊外まで広がりました。消費者にも住宅バブルが始まり、「今買わなかったら住宅を買えない」と、地方でさらに駅から遠くても飛ぶように買われる事態になりました。そして不動産投資がブームになり、節税商品としてワンルームマンションは右肩上がりで買われていきました。これが土地神話(とちしんわ)です。土地神話とは、不動産の価格は必ず値上がりするという神話のような事態を指します。不動産の価格はバブル景気などに支えられ一時的な上昇を見せていました。

日銀は、このような事態を受けて不動産関連融資の抑制、いわゆる総量規制を打ち出しました。今度は政策的要因が急ブレーキを踏んだのです。総量規制により融資が下りず建築も立て続けにストップ、建築会社やディベロッパーが相次いで倒産し、我先に物件を投げ売りする事態になりました。このように不動産を語るには、まず金融情勢、そして国の政策を把握することが重要と言えます。

また、不動産は同じものが存在しないため定価がなく、物件ごとに価格が決まります。間取り、築年、方角や所在階はもちろんのこと、構造や所在エリアなど様々な要因により相場は決定されます。

そこで、一つの指標として役に立つのが利回りです。物件の還元利回り(物件周辺の実質利回り)と1年間の利益(年間家賃収入ー年間経費)が分かれば、物件のおおよその価格を求めることができます。

この還元利回りは、不動産業界においてキャップレートと呼ばれます。キャップレートとは、Capitalization Rateを略したもので、キャップレート(還元利回り)は不動産から生み出される純収益から不動産価格を求める際に用いられる利回りであり、「純収益÷キャップレート=不動産価格」として表されます。

例えば、年間1,000万円の純利益が見込まれる不動産でキャップレートが8%とすると、その不動産の評価額は、1,000万円÷0.08=1億2,500万円と計算されます。

キャップレートは、主にエリア別、アセットタイプ別にその水準が異なるもので、一般的にはエリアでいえば東京が最も低く、アセットタイプでいえば比較的キャッシュフローが安定的なオフィス、商業施設、住宅等が低くなるとされています。

ただし、残念ながらキャップレート(還元利回り)というのは、実は正解があるわけではないところが難しいと言えます。

キャップレート=NOI(ネット収入)÷ 不動産価格 X 100

キャップレートとは、投資家から見た相場的な指標であり、そのエリアのネット収入を取引価格で割ったものの積み重ねの相場のことを言います。物件を売却しようとする際に、購入する側はこれぐらいの利回りは求めるであろうと期待される利回りのことです。エリアごとに一般的な相場観を得るときに使用される指標ですが、立地、築年数、設備等の要素によって物件ごとにキャップレートは異なり、市場の金利によっても変動します。地方に行くほどキャップレートは高い傾向にあります。再開発などインフラ整備が進むエリア、家賃が上昇している地域については、キャップレートが下がり、将来の価値が上がる、と考えられます。すべての投資は、リスクとリターンの正比例であり、キャップレートが高いことはリスクが高いことと同様であり、利益が高いことではありません。

キャップレートは、投資家がその不動産を保持しているときのネット利回りと同じ概念です。つまり市場に出回って、売買が繰り返されることによってネット利回りが市場で形成され、投資家から見たときの判断基準となるレートです。キャップレートとネット利回りは同じ計算方法ですが、ようはキャップレートは不動産を購入時・売却時に使用される表現で、ネット利回りは不動産保持しているときに使用される表現と言えます。

例えば、家賃収入が1,000万円、キャップレートが10%であれば、1000万円を10%で割れば不動産価格(物件の価値)は、1,000万円÷10% = 1億円 となります。仮に、このエリアのキャップレートが下がって8%になり、家賃収入が上がり、1,200万円になったとすると、不動産価格(価値)は、1,200万円÷8% = 1億5000万円となります。不動産価格(価値)はキャップレートで動く場合もあるし、賃料収入で決まる場合もあります。

一見、地方の物件がネット利回り15%、都心の物件が8%で売り出されたとき、地方の方が数字が高いから有利なように見えるかもしれません。これは、15%でないと売れないからその利回りということなのです。利回りが高くても空室や、物件価格の下落のリスクもあるため、高い利回りになっているということです。このように、「いくら投資したらいくら返ってくるか」ということを基準に判断する必要があります。「値上がりしそうな物件はどれか」ということではなく、「家賃が上がりそうな地域はどこか」という視点で、人口が増えているエリアの物件を選択することが必要になります。

利回りは投資した金額に対しての収益率を指す言葉ですが、不動産投資では併せて把握しておきたい言葉が他に3つ存在します。「利子」「利率」「キャッシュフロー」の3点について、それぞれ見ていきましょう。

  • 利子との違い

貸し借りの関係にある金銭に対して上乗せされる金額のことを利子と呼びます。債権者側は「利子」、債務者側では「利息」と呼ぶため、不動産投資においてはローンを借りて返済する際、「返済金元本+利息」の金額を支払うことになるわけです。利回りとの違いとしては、大まかにいうと金額そのものであるか、割合を指すかとなるでしょう。

  • 利率との違い

借り入れたローン残高に対して、年間で加算される利息の割合が利率です。不動産投資を行う際に、今後、どれくらいの利息を支払う必要があるのか確認する際に重要な項目となります。利率の算出方法は以下の通りです。

利息の年額 ÷ ローン残高 × 100= 利率(%)

  • キャッシュフローとの違い

その名の通り、キャッシュ(現金)のフロー(流れ)を指す言葉です。入ってくる現金を「キャッシュ・イン・フロー」、出ていく現金を「キャッシュ・アウト・フロー」と呼びます。不動産投資においてはどれくらいの現金が手元に残るのか、という点は非常に重要です。そのため、キャッシュフローを確実に把握しておく必要があります。
不動産投資運用においては、主たる利益である家賃収入に対して各種税金や維持管理費、ローンなどさまざまな支出が発生しますが、収支のバランスを黒字にしていき維持することが重要です。手元に残る現金がプラスになった場合は「キャッシュフローが黒字になった」といい、マイナスになった場合は「キャッシュフローが赤字になった」といういい方をするのが一般的とされています。

利回り、特に実質利回りの高低も重要な指針ではありますが、不動産の黒字運用を心がけるのであればキャッシュフローを確実に理解しておくことが大切です。

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