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金利・リスクプレミアム・成長率で読み解く株価の”本当の理由” ── PERはなぜ動く?

こんにちは、田中 です。

株価のニュースを見ていると、「PERが上がった」「金利が下がった」「リスクオンの流れ」といった言葉をよく耳にします。

一見バラバラに見えるこの3つの変化ですが、実はすべて“株価の値付け(バリュエーション)”を動かす要素です。

今日は、株価を決める要素である

  • PER(株価収益率)
  • 金利(=割引率)
  • リスクプレミアム
  • 成長率(企業の将来期待)

この4つが どうつながっているのか をシンプルに整理します。

株価の正体は「1株利益(EPS) × PER」

株価は、企業の稼ぐ力(EPS)と、その企業に“どれだけ期待が乗っているか”(PER)で決まります。

PERとは、“さまざまな期待の集合体”で、金利・世界情勢・マインドで簡単に動きます。

PERは「金利 × リスク × 成長率」で動く

PERとは 「投資家が1円の利益に対して何倍の値段を払うか」 を表す指標です。
PER=期待値 なので、数字が高いと「将来良くなるはずだ」という期待が織り込まれています。

そしてこのPERは、次の3つの影響を強く受けます。

① 金利が下がる → PERは上がる

金利とは お金のレンタル料です。金利が低いほど、将来の利益の価値が“高く”計算されるため、株式が買われやすくなります。

  • 金利↓ → 将来のお金の価値↑ → 株の魅力↑ → PER上昇

② リスクプレミアムが下がる → PERは上がる

リスクプレミアムとは 「株式を持つリスクに対して要求する追加の見返り」 のことです。

  • 世界が不安(戦争・不況・金融不安) → リスクプレミアム↑(みんな怖い)
  • 世界が安定 → リスクプレミアム↓(安心して株を買う)

リスクが下がるほど株にお金が入りやすくなり、PERが上がります。

③ 成長率が上がる → PERは上がる

成長率とは 「企業がどれだけ利益を伸ばしそうか」 の指標で、期待される将来の伸び率のことです。

  • 利益が10年後には倍になりそう → いま高く買われる
  • 将来ほぼ横ばい → いまは高く買われない

成長率への期待が高まるほど、PERも上がります。

※ EPSが伸びていないのに株価が上がっている場合は注意

EPSとは 「1株あたりの純利益」 のことで、企業の本当の稼ぐ力を表します。

株価が上がる理由は2つしかありません。

  1. EPSが伸びた(企業の実力アップ)
  2. PERが伸びた(期待だけで上昇)

ここで重要なのは、EPSが横ばい〜下がっているのに株価が上がる=PERだけで上昇しているというケースです。

この状態は「期待先行」で危険。なぜなら、PERは

  • 金利
  • マインド
  • 景気
  • 世界情勢

といった“外の環境”で簡単に上下するからです。

EPSが伴わずにPERだけが伸びて株価が上がっている場合、環境が変わった瞬間に 急落しやすい(=バブル化しやすい) のが特徴です。

だからこそ、企業分析(EPSの理解)が必須

EPSは、企業がどれだけ実際に利益を出しているかを示す“中身そのもの”です。金利や市場の期待とは違い、簡単にはごまかせません。

  • 景気が悪くても利益が出せる会社
  • 不況でも成長を続ける会社
  • 利益率の高い会社

こうした企業はEPSが安定しており、長期で株価が伸びる傾向があります。

一方で、PERの期待だけで持ち上がっている株 は、潮目が変わると急落します。

長期投資では「EPSが伸びる企業」を見極めることが何より重要です。

  • PER(期待)はブレる。
  • EPS(実力)は積み上がる。

だからこそ、投資家は

  • 財務
  • 事業モデル
  • 利益構造
  • 成長の源泉

など、企業の“実力部分”にしっかり目を向ける必要があります。

■ ここでいう「潮目が変わる」とは?

投資の世界でよく言う“潮目が変わる”とは、PERを押し上げていた外部環境が逆回転するタイミング を指します。

代表的には次のような変化です。

金利が上がったとき(もっとも典型)

例)

  • FRBや日銀が利上げ
  • 長期金利が急上昇
  • インフレ懸念で金利が上がる

金利が上がると、「将来の利益の価値」が低く見積もられるためPERだけで上がっていた株が真っ先に落ちます。

景気の減速・企業業績の悪化が見えたとき

例)

  • GDPの落ち込み
  • ISM製造業指数の悪化
  • 消費の鈍化
  • 決算でガイダンス引き下げ

「成長率が思ったほど高くなさそう」と気づいた瞬間、市場の期待が剥がれ落ちて PERが縮みます。

世界情勢が不安になったとき(リスクプレミアム上昇)

例)

  • 地政学リスク(戦争・紛争)
  • 金融不安(銀行破綻など)
  • 政治リスク

「怖いから株を持ちたくない」という心理が働き、リスクプレミアムが上がって投資家が慎重になります。PERが縮む → 株価下落。

過熱した市場の“期待疲れ”が起きたとき

例)

  • 個人投資家の過熱(SNSで盛り上がりすぎ)
  • 人気株の買われすぎ(テーマ株・AI株など)
  • 指標は良くないのに「雰囲気」で上がっているとき

そういうときは、小さな悪材料でも崩れやすく、売りが連鎖して急落します。

まとめ

株価は、“今の利益”だけで動いてるわけではありません。
金利が下がったり、市場のムードが明るくなったり、将来の成長に期待が集まると、PERがじわっと上がって株価を押し上げます。逆に、期待だけで上がっていた株は、その期待がしぼむと一気に下がることもあります。だからこそ、ニュースの一言ひとことの裏側に「市場が今、何を織り込んでいるのか」を見るのが大事なのです。株価の動きは、企業の実力と、投資家の“未来の物語”が合わさって決まっている、ということですね。

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