不動産IRRから学ぶ、株式・債券投資の本質
こんにちは、田中 です。
「不動産IRR(内部収益率)って何?」と思ったことはありませんか?
実は、この考え方を理解すると、株式や債券投資の本質まで見えてきます。
一見、IRRと株式のPERは別物のように見えますが、根底にはどちらも「お金の価値を時間で考える」という共通点があります。しかし、決定的な違いもあります。この違いを知ることで、投資戦略やリスク管理の理解が深まります。

不動産IRRとは?
不動産のIRRとは、簡単に言うと「どれくらい効率よくお金が増えるか」を示す指標です。
具体的には、家賃収入と売却益を含めたキャッシュフローから算出します。
特徴は、自分である程度コントロールできることです。
例えば、
- 入口(購入価格)
- 保有中の家賃収入
- 出口(売却価格)
- 投資期間
これらを自分で設定することで、IRRは変わります。

将来のお金は現在の価値より小さく見える
IRRの考え方では、将来のお金は現在価値に割り引くというルールがあります。
(この割り引く率を「割引率」と呼びます。簡単に言えば「お金を将来受け取るリスクや時間の価値を考慮した利率」のことです。)

10年後の1,000万円は、現在の価値にするともっと小さくなります。
つまり、同じ売却益でも売るタイミングでIRRは大きく変わるのです。
- 短期で売却 → 売却益の影響が大きく、IRRが上がりやすい
- 長期で売却 → 売却益の影響が小さく、IRRは下がりやすい
理由はシンプル。お金は早く受け取るほど価値が大きいからです。
株式・債券の世界との違い
株式や債券では、キャッシュフローや売却価格を投資家自身が決めることはできません。すべて市場が決めます。
- 配当金
- 利息
- 株価や債券価格
- 売却タイミング
これらはすべて市場次第です。
つまり、株式投資では:
- 自分で出口価格を決められない
- 自分で投資期間をコントロールできない
- キャピタルゲイン(売却益)は予測できない
こうした理由から、IRRのように正確な利回りを計算することは難しいのです。
株式投資で注目すべきこと
株式投資では、IRRのように効率をコントロールできないため、次の点が重要になります。
- 配当金や利益が増え続ける企業か
- 利益が安定している企業か
- 塩漬けリスクに備えて損切りルールを持つか
PERとは?
株式の評価でよく使われるPER(株価収益率)は次の式で求められます。

ポイントは:
- 株式投資ではインカムゲイン(利益・配当)が中心
- キャピタルゲイン(売却益)は原則考慮されない
- 株価は市場が決めるため、未来の売却価格は自分で決められない
つまり、株式投資は利益が成長しない企業を持ち続けるほど、実質的に価値が目減りするリスクがあります。ここが不動産IRRとの決定的な違いです。

まとめ:IRRが教えてくれる金融の本質
不動産
- キャッシュフロー・・・自分で設計可能
- 出口(売却)・・・自分で戦略的に決定可能
- 利回り計算・・・IRRで効率をコントロール可能
株式・債券
- キャッシュフロー・・・市場任せ
- 出口(売却)・・・市場任せ
- 利回り計算・・・PER・配当利回りで評価、キャピタルゲインは不確実
不動産IRRを理解することで、株式や債券の投資におけるリスクや出口の重要性が自然に理解できます。
投資の世界では、お金の価値を時間で考えることが本質です。不動産と株式・債券を比較することで、効率的な資産運用の考え方が見えてきます。


